第47章

樋口浅子の声が突然止まった。

明るかった瞳が、徐々に曇っていく。

彼女は苦笑して、自嘲気味に言った。「私のことをそんなに嫌っているんだから、もう二度と会いたくないでしょうね」

「来世では、もう二度とあなたを探したりしないわ」

「私がいなければ、きっともっと幸せに生きられるはず……」

樋口浅子はゆっくりと手を上げ、彼の顔に触れようとした。

しかし指先が彼に触れそうになった瞬間、ふと止まった。

彼を起こしてしまうのが怖くて、これ以上見つめることができなくなってしまう。

樋口浅子は落胆しながら手を下ろし、彼の顔を見つめ続けた。

本当に整った顔立ちをしている。どのパーツも彼女の好み...

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